STOCKOUT

下地勇 STOCKOUT專輯

12.制服

作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎

ラッシュアワーが疲れを吐き出してる
人の多さまでが ものめずらしげに見えて
東京駅地下道の 人ごみの中
ひと群れの制服の娘たちがいる

真新しいスーツ・ケースを提げて
集団就職で今着いたらしい
妙に腰の低い男が先頭にたって
何とか会社の旗など振り回している

家を出る前の晩は赤飯など食べて
家族揃って泣き笑いしたのかい
里心だけはまだ田舎の家に置き
それでも家を出てくる 魅力に負けて

どうですか東京って奴に会ってみて
どうですか東京って奴の御挨拶の仕方は
みんな押し黙ったままの この人ごみは
そうこれが都会って奴の御挨拶の仕方なんだよ

初めから都会に出て行かなければ
いつまでも都会でなくてすんだのに
きれいに暮らしてゆける土地(ところ)は
どこか他のところのような気もするよ

今はまだ驚いてることだけですむけれど
もうすぐ判るさ驚かなくてすむさ
駆け引きのうまい男ばかり出世して
きれいな腹の男はもう拗ねてしまってる

これからきみは日曜日だけを待つんだね
悲しみの唄がなぜ街に流れるかも判ってきて
使うのに容易く稼ぐのに辛い
そんな給料の苦さも知ってしまうんだろうね

今度きみが故郷に帰ってゆくまでには
親に語れない秘密のひとつやふたつは
できてしまって嘘もついてしまうんだね
騙された男のことはきっと話さないだろうね

ぼくはこれから大阪へ行くところ
いちばんきれいだった女の子の顔など思い出し
制服が人ごみの中に消えてゆくのを
振り返りながら僕は見送っている