あなたの笑顏は世界で一番美しい

若旦那 あなたの笑顏は世界で一番美しい專輯

12.雨やどり

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

それはまだ私が神樣を信じなかった頃
九月のとある木曜日に雨が降りまして
こんな日に素敵な彼が現われないかと
思ったところへあなたが雨やどり

すいませんねと笑うあなたの笑顏
とても凜凜しくて
前齒から右に四本目に蟲齒がありまして
しかたがないので
買ったばかりのスヌ一ピ一のハンカチ
貸してあげたけど傘の方が良かったかしら

でも爽やかさがとても素敵だったので
そこは苦しい時だけの神だのみ
もしも もしも出來ることでしたれば
あの人に
も一度逢わせてちょうだいませませ

ところが實に偶然というのは恐ろしいもので
今年の初詣に私の晴れ著のスソ踏んずけて
あっこりゃまたすいませんねと笑う
口元から蟲齒がキラリン
夢かと思って ほっぺつねったら痛かった

そんな馬鹿げた話は今まで聞いたことがないと
ママも兄貴も死ぬ程に笑いころげる奴らでして
それでも私が突然口紅などつけたものだから
おまえ大丈夫かと おでこに手をあてた

本當ならつれて來てみろというリクエストに
お應えして
五月のとある水曜日に彼を呼びまして
自信たっぷりに紹介したらば
彼の靴下に穴がポカリン
あわてておさえたけど しっかり見られた

でも爽やかさがとても素敵だわと
うけたので彼が氣をよくして急に
もしも もしも出來ることでしたれば
この人をお嫁さんにちょうだいませませ

その後 私 氣を失ってたから
よくわからないけど
目が覺めたらそういう話が
すっかり出來あがっていて
おめでとうって言われて も一度 氣を失って
氣がついたら あなたの腕に 雨やどり