5.青年の樹
作詞:谷村新司
作曲:谷村新司
一人心に別れを秘め
何も知らずに眠る貴方の
部屋の灯りに眼をやれば
憧憬に旅立つ足がすくむ
私の二十歳の祝いにと
貴方が庭に立たずみ静かに
やせたその腕で土をかけた
青年の樹よ
今をのがせば夢などに
若さをかける時は二度とない
桜ひとひら雨に散る
冬まだ明けぬ春に散る
落ちたひとひら風に舞い
何処の土に埋もれ終るやら
私の二十歳の祝いにと
貴方が庭に立たずみ静かに
やせたその腕で土をかけた
青年の樹よ
老いた二人の行く先を
緑をやさしく包んでおくれ
私の二十歳の祝いにと
貴方が庭に立たずみ静かに
やせたその腕で土をかけた
青年の樹は
青葉繁りてなお悲し
わびることさえなくなお悲し
|