少年少女

中村中 少年少女歌詞
1.ここは、風の街

作詞:中村中
作曲:中村中

右も左もわからないような
白い服で飛び出したけど
都會の驛にバスが著く頃
どうせ迎えが來ていたんだろう
見送ってやる人もいなけりゃ
持って行ける荷物もないさ
別れ方が上手くないから
後ろ指をさされ出てゆく 「あばずれ」

その女は、惡いウワサ編んだ服を身にまとう
その女は、產まれ落ちた時から すでにニセモノ
男の自信まで吸い取る
代わりに思い出に棲み著く
なのに なのに 人の形をしている
ここは、風の街 騙された奴らが住んでる
あいつを捨てたのは 街の方さ
私 二度と振り向かないわ
遠い街で大人になるわ
夢に見てた都會は砂漠
乘ったバスはアリ地獄行き 「ざまぁねぇな」
その女は、噓と本氣(マジ)の境目が見えていない
その女は、しかもそれを自分でも氣付いていない
抱いてる時にしか笑わない
泣いてるみたいにしがみつく
だけど だけど 朝になると消えちまう
ここは、風の街 追い風がいつでも吹く街
じっとしていると 煽り立てる

その女は、人の心 モノ欲し氣に覗くから
その女の、前に行くと弱みがみんなバレちまう
お金で氣持ちは動かない
命を盜んだりはしない
だけど だけど だけど返せよ 心

ここは、風の街 追い風がいつでも吹く街
じっとしていると 煽り立てる
ここは、風の街 騙された奴らが住んでる
あいつを捨てたのは 街の方さ


2.獨白

作詞:中村中
作曲:中村中

笑えば喜ばれた
生まれた時のようには
戾れないと知った!

若い頃には「青春」
終わる頃には「人生」
素晴らしいと言って!

それじゃあ、なに?
私に真っ最中の二人を
「殺せ」とでも言うの!?

「今では40歲過ぎても
子供でいたい」なんてサ
そんな風に言った!
笑えば喜ばれた
生まれた時のようには
戾れないと知った!!!!


3.初戀

作詞:中村中
作曲:中村中

僕を名前で呼んでくれたのは
君だけだったから
同じ列に並んで見えない
君を探して何度も笑った
ゴ一ルにいつも屆かないサッカ一は
君ばかり追いかけてた
あの時 頰をかすめたボ一ルは
この愛しさをためらった
君だけが見つけて 泣いてばかりの僕を
內緒で登った 屋上の陰からは
ふたりが笑う あしたが 僕には見えた

まずいタバコも イケナイ遊びも
君と一緒だから
誰かが惡く言えば言うほどに
もっと大事な時間に變わった
本當は君が誰かを抱くたび
まぶしくなってゆくのを
知っていたけど 側にいたいから
君を見つめ何度も笑った
君だけが氣づいて 變われない僕の事
內緒で隱した 校庭の隅にある
寶の地圖は ふたりで 描いた未來

君だけが見つけて 泣いたのは君のせい
あんなに何度も 肩を抱き合ったのに
今は君ばかり 美しくなるのがつらい
僕だけ置いて 大人になってくのが こわい


4.秘密

作詞:中村中
作曲:中村中

何度も同じ場所嚙みついたりして
惡かったね ソコは弱い
所だってわかっていたのに
何度も大丈夫だと言わせたりして
惡かったね でも言葉じゃわからなくて
次はきっと 抱いていてほしいと言ってしまうから

そんな夜にも 笑ってみせてよ
次はきっと なにもかもほしいと言ってしまうけど
そんな夜にも 笑ってみせてよ
君だけは僕を捨てないで

近づき過ぎるのは 唇ぶつかりそうで
アブないから 嫌いになる
フリをして惑わせるけど
ぐちゃぐちゃになってるのはお互い樣かも
知れないから 後戾りは出來ないと氣づいて
本當はもう 君の事とっくに信じているけど

誰かにバレたら 惡く言われるね
本當はもう 君の鄰じゃなきゃ眠れない事も
誰かにバレたら 惡く言われても
君はそんな風に言わないで

怖くなっても いまさら逃げないで
蒔いた種は僕だけのものじゃない
モットソバニキテ

そんな夜にも 笑ってみせてよ
僕がいつも惡ぶると 決まって喜ぶ君だった
絡まり合って 動き出せないのは
君のせいかも知れないよ
君のせいかも知れないよ


5.人間失格

作詞:中村中
作曲:中村中

弱音を吐くのは 裸にされる事で
本音を言うのは 寒がられる事だった
溫度がないのなら 言葉はもう信じない
臆病な私のせい 愛し方わからない
差し出してくれた手に嚙み付く しょっぱいね

追い詰められたら 逃げる方が簡單で
傷付かないのが「利口」と教わったから
諦めてしまおうと 見上げた空の色が
どこまでも青いから 死に方がわからない
止まらない淚の味がする しょっぱいね
人の間で生きる事が 息を殺す事ならば
私は向いていないようだ 苦しい
それでも生きているなんて
理不盡だったのは社長(あんた)の方だろって
思っていたけど口にしなかったのは
大人になったよ、と胸を張ってみるため
本當は悔しくて 笑い方わからない くせに
笑ってる 默ってる
それでもまだ生きているなんて
わかってる 誰よりも自分が しょっぱいね


6.旅人だもの

作詞:中村中/竹原ピストル
作曲:中村中/竹原ピストル

トラックを停めたら迷子扱い
抱けると思われて乘った助手席
なんて讀むかのわからない
さびれた驛の陰からは
路上の歌が流れてる 誰かが鼻で笑ってる
冷めてるコ一ヒ一と小錢くすねて
三度目のカ一ブで飛び降りた街
ギタ一ケ一スの留め金が
馬鹿になってる 外れてる
だけど特別さみしくない
私もどうせ 外れてる
旅人だもの どうせ 旅人だもの
ひとつの街には 落ち著いていられないんだ
旅人たちよ 今日はどこまで行くの
君がその氣なら どこだって終著驛だ


流されているのか 流れているのか
あやふやな景色が車窗にゆれてる
理由なんかは聞かないでくれ
立ち止まってしまうじゃないか
考えごとは腹がへる 考えごとは腹がへる
旅人だもの だって 旅人だもの
ひとつの街には 落ち著いていられないんだ
旅人たちよ 今日はどこまで行くの
君がその氣なら どこだって通過驛だよ

ぐるぐるぐるぐる目がまわるくらいに
もう何回まわったかわからない
お日樣が今夜も沈んでゆく
橫になれる場所はないかと彷徨いながらうつらうつら
やっとこ見つけた公園の向かいには
オバちゃんひとりの古びたコンビニがあった
「ねぇオバちゃん。野宿をしたいんだけど、
この邊りに惡い人はいるのかい?」
そう尋ねた僕に、
「ねぇ坊や。どんな所にも、
惡い人もいれば良い人もいるんだよ。
ちなみにオバちゃんは
良い人だけどね」って 肉まんひとつ
今夜も僕らは なんとか生きている

旅人だもの そうさ 旅人だもの
ひとつの街には 落ち著いていられないんだ
旅人たちよ 今日はどこまで行くの
君がその氣なら どこだって終著驛だ


7.戰爭を知らない僕らの戰爭

作詞:中村中
作曲:中村中

惡いな、俺は足をやられてる
そうかい、おいらは兩目をやられた
先に行くんだ 遠くに逃げろと
諦める奴はいなかったけれど
ごめん、私は喉をやられてる
このまま死のうと言えなかっただけ


歷史の教科書の半分が叫び聲をあげてる
もう半分は落書きされて僕を嘲笑ってる
先生、ミサイルの話なら僕に降り續けてる
消しゴムや紙くずをとめてよ
また見て見ぬふりだね
振り向いた時 目につく奴に
そら、チョ一クが飛んでくる

生き延びる術なら惜しまないケモノに比べたらば
傷つける事すらおそれない僕たちはネズミだね
攜帶電話にかじりついて 互いを監視してる
よそ見すると嚙み殺されるぞ
だから目を逸らせない
また次の策、また次の策、
あぁ、前齒がかゆくなる

ある朝、柏木の機から給食費 盜まれた
結婚したての女教師 ヒステリックな聲で
のろまな僕には席がなくて 恰好の餌食だね
僕の席は教室の外で 足がひん曲がってる
犯人探し終えた放課後 次のゲ一ムが始まる

惡いな、俺は足をやられてる
そうかい、おいらは兩目をやられた
先に行くんだ 遠くに逃げろと
諦める奴はいなかったけれど
ごめん、私は喉をやられてる
このまま死のうと言えなかっただけ

散り始めた櫻を橫目に 解放の時が來た
卒業の歌を歌いながら 柄にもなく泣いた
母なる大地よ 全てが忘られてゆくならば
母なる大地よ 傷跡はなぜそこに在りますか
學び舍の校門 くぐればそこは
おかまいなしの春です
ため息つけば 歷史の教科書は
最後の頁をめくる


8.青春でした。

作詞:中村中
作曲:中村中

好きでもない人とするキスは味氣ない
だけどそういう人がいないと本當に味氣ない
嫌いな人くらい わたしにもいるけど
そうとはっきり言えたらどんなに愛されるだろう
結んだ髮に雨が染みて
上手くほどけないから
待って、待って、と言ってるのに
あいつ 背中の紐をほどく
かえせよ青春 わたしの青春
何度も痛い、痛いって泣いてても
離してくれない あいつが好きだった
青春 かえせよ青春
面倒臭い奴って知ってても
離してくれない あいつは
わたしの青春でした。

もっと上手に遊べたなら
本氣にもなれたかな
あいつの事も わたしの事も
過去にする為に手を振った
さよなら青春 わたしの青春
あしたからは誰に會ってても
初めてのキスは 二度と出來ないさ
青春 さよなら青春
あしたからは愛し合ってても
初めての戀の氣持ち 戾らない 青春でした。
今更あいつに未練はないけど
盜んでいった大切なものをかえしてほしいの
かえせよ青春 わたしの青春
何度も痛い、痛いって泣いてても
離してくれない あいつが好きだった
青春 さよなら青春
面倒臭い奴って知ってても
離してくれない あいつは
わたしの青春でした。


9.ともだちになりたい

作詞:中村中
作曲:中村中

ともだちになりたい
押しつぶされそうなこんな夜は
飛び迂んでゆきたい 誰かの腕の中
キズつけたい 君の頰を
キズつけたい でもねそれは
傷つけてしまうほど
誰かを抱きしめてみたかっただけだよ
キスをしたい 君の頰に
キスをしたい たぶんそれは
傷つけてしまいそうな
氣持ちを抑えられないからだよ
ともだちになりたい
上手く言えないこんな僕を
嘲笑ってもいいから 憶えていて欲しい

僕が恐い たまに僕は
僕が恐い でもねそれは
僕じゃなくなるくらい
誰かを愛したいだけだよ


ともだちになりたい
僕が止まらないそんな夜は
ぶつかってゆくから 君は受け止めてよ
ともだちになりたい
君がやるせないそんな夜は
ぶつかっておいでよ
何度でも 何度でも 僕が受け止めるから


10.不良少年

作詞:中村中
作曲:中村中

あの日々を忘れない

出來損ないって何だろう
それなりに良い事も出來るのに
「出來ない」と見かけで決めるなよ
優しさを優しさと
受け取って貰えないのなら
生きている意味だって疑いたくなるぜ
不良少年
行く宛てもなく今夜も走る
街がどんどん小さくなる
時の速さで僕らは息をする
すれ違う街燈がチカチカ
青春みたいに遠ざかる
夕燒けを追いかけろ
不良少年

諦めが肝心と逃げ出した奴もいたけど
何もない每日はつまらないんだ
やめるなよ 生きる事は
やめる事が出來るんだ
すり減って 毆られて それでも胸を張れ
不良少年
行く宛てもなく今夜も走る
街がどんどん小さくなる
時間(とき)の速さが僕らを追いつめる
風の中だけでしか僕ら
泣けなくなった出來損ない
朝燒けに捕まるな

不良少年
いくら泣いても笑われない
いくら叫んでも聞こえない
時の速さで僕らは息をする
東の空が明るくなる
逃げなきゃいけない氣がする
あの日々を忘れない
行く宛てもなく今夜も走る
街がどんどん小さくなる

すれ違う街燈がチカチカ
青春みたいに遠ざかる
あの日々を忘れない
不良少年