その女をたずねて~函館から沖縄まで~

北島三郎 その女をたずねて~函館から沖縄まで~歌詞
1.函館の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

はるばるきたぜ 函館へ
さかまく波を のりこえて
あとは追うなと 言いながら
うしろ姿で 泣いてた君を
おもいだすたび 逢いたくて
とても我慢が できなかったよ

函館山の いただきで
七つの星も 呼んでいる
そんな気がして きてみたが
灯りさざめく 松風町(まつかぜちょう)は
君の噂も きえはてて
沖の潮風 こころにしみる

迎えにきたぜ 函館へ
見はてぬ夢と 知りながら
忘れられずに とんできた
ここは北国 しぶきもこおる
どこにいるのか この町の
ひと目だけでも 逢いたかったよ


2.みちのくの女


3.越後情話

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

角巻の 雪を払いながら
熱燗にしてと 女は声をかける
おちょぼ唇してさ 少しやけっぱち
へいへいと 愛想よく
七輪の 火を煽ぐ
おやじの息も白い ああ 越後六日町

男って みんな嫌いなのさ
独白言って 涙をかくすたび
せまい屋台がさ やけに華やぐね
なじめない お座敷を
逃げだして きたのかい
乱れた裾にのぞく ああ 仇な緋ぢりめん

こんな妓を 泣かすやつの気持
わからないねぇと 男が差す酒を
どうもありがとう なんて言っちゃって
受けとめる 色っぽい
まなざしが 可愛いくて
心の雪もとける ああ 越後六日町


4.木曽の女


5.横浜の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

惚れていながら
惚れていながら十三年も
まわり道した 恋だった
北は函館 南は薩摩
噂を追いかけ ヨコハマの
港へもどって きたんだよ

おれにかくれて
おれにかくれて 病気の母に
君はつくして くれたとか
苦労させたね 博多の頃は
ひとことお礼が いいたくて
訪ねてきたぜ 伊勢佐木町へ

ひとり暮らしが
ひとり暮らしが 淋しいならば
俺に償い させてくれ
里にあずけた 子供を呼んで
潮風あかるい ヨコハマで
三人一緒で 暮らそうじゃないか


6.あじさい情話

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

心変わりは 憎くても
逢えばおまえが 離せまい
俺の負けだよ 戻っておくれ
明日に咲こうと ささやきかける
花はあじさい おとこの泪

夢で抱きしめ 名を呼べば
枕つめたい ひとり寝の
夜半の箱根の 湖畔を走る
雨の糸さえ みれんを束ね
窓にあじさい おんなの泪

花で日暮れた 湯の街の
朝は愁いの 始発駅
泣いて手をふる あの女よりも
逢えず別れる 男の胸の
辛らさ伝えよ あじさいの花


7.箱根のおんな

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

あなたを捨てた 報いでしょうか
男にゃ泣いたと 風便り
白から赤へ 赤から青へ
こころを変える あじさいの
花をみるたび おもいだす
にくい 恋しい 箱根の女よ

届かぬ恋に 苦しむよりは
死んで解きたい 恋縛り
大湧谷の 煙りの中で
愛しさつのり 叫んでみた
俺のこころに いまもなお
住んではなれぬ 箱根の女よ

みどりに晴れた 芦の湖さえも
噂をくれぬ きみのこと
尋ねる今日も 湯本に暮れて
滝音ばかり 塔の沢
ひとり別れの 酒くめば
つらい 逢いたい 箱根の女よ


8.伊豆の女


9.なごやの女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

寒かないかとだきよせて
ぬいだ上衣を着せてやる
俺の負けだよ どうにもならぬ
恋にくるしい ため息が
ぬらすネオンの ぬらすネオンの
広小路

君を自分の ものにする
夢にすべてを 賭けてきた
俺のこの手で 解かせて欲しい
花は紫 かきつばた
女ごころの 女ごころの
名古屋帯

泣ける君より 泣かないで
がまんする身は まだつらい
これがさだめか 庄内川の
水にうつした 影ふたつ
好きでいようよ 好きでいようよ
わかれても


10.千代田の女よ


11.伊勢の女


12.加賀の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

君と出逢った 香林坊の
酒場に赤い 灯がともる
ああ 金沢は 金沢は
三年前と おんなじ夜が
静かに俺を 待ってる町だ

忘れられよか 天神橋の
たもとにのこる 物語り
ああ あの女も あの女も
おもいの糸の 細白糸を
かけるか遠い 都の空に

謡曲がふるふる 加賀宝生の
木洩れ陽青い 石だたみ
ああ 金沢は 金沢は
身も世もすてて あなたのために
生きると云った 君住む町よ


13.尾道の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

北国の 町からきたよ
潮風に ふかれて来たよ
あゝ 尾道
あの娘がここに いるという
噂の町の ともしびが
泣けとばかりに まぶたにしみる

しあわせが 待っててくれる
そんな気が したんだ俺は
あゝ 尾道
さびれてのこる 色街(はなまち)の
のみ屋の椅子に こしかけりゃ
じんとひゞくぜ 霧笛の音が

逢えないと わかっていても
いちどだけ きてみたかった
あゝ 尾道
ひと月前にゃ いたという
二階の窓で いさり火を
ひとり眺めて あの娘をしのぶ


14.伊予の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

君が泣くから 松山の
月も涙の 傘をさす
すぎた昔の ことなんか
おもいだすなよ今日からは
俺のものだぜ放しはしない

帰さないぜとだきよせりゃ
星がこぼれる 三津ヶ浜
だめよだめよと云いながら
影をかさねてついてくる
かすり姿がいとしじゃないか

道後湯の町 奥道後
岩をつらぬく 石手川
どんなことにもまけないで
ゆけとささやく 水音が
愛の愁いを流してくれる


15.博多の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

ひとの妻とも 知らないで
おれはきたんだ 博多の町へ
逢わなきゃよかった 逢わないで
夢にでてくる 初恋の
君をしっかり だいていたかった

夜の那珂川(なかがわ) 肩よせて
ゆけばしくしく 泣くさざ波よ
ゆるして下さい ゆるしてと
わびる姿が いじらしく
おれはなんにも 言えなかったのさ

それじゃゆくぜと 背を向けて
夜の中洲(なかす)へ 逃げてはみたが
まぶたをあわせりゃ 浮かぶのさ
俺はやっぱり あの頃の
君をさがして 明日に生きるのさ


16.薩摩の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

義理あるひとに 背を向けて
別れてきたと 君は泣く
雨がふるふる 天文館通の
青いランプに 身をよせりゃ
ああ 悲恋の旅の ドラが鳴る

信じていたよ この胸に
いつかは帰る 女だった
肩へ廻した 男の腕に
ぐっと力を いれながら
ああ 仰げば燃える 桜島

いままで泣いた かなしみは
かならず俺が とりかえす
やがて出船の 合図はあるが
故郷で待てよと ささやけば
ああ 錦江湾に 陽がのぼる


17.長崎は呼んでいる


18.さがさないで下さい


19.沖縄の女

作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男

泣いたらだめよと言われたら
こらえた涙があふれだす
逢えてよかった 肩だきよせて
古都の高台 さまよえば
赤いデイゴの 花盛り
さんごのかんざし 髪にさし
やさしくみつめる 那覇の女

シュロの葉かげに そよそよそよぐ
風に情が あるならば
留めておくれよ 沈む陽を
別れはきたけど もうおれの
心はここへ おいてゆく
白い浜辺よ みどりの椰子よ
わすれられない コザの灯も
消えてくれるな いつまでも