あの頃の青春を詩う

吉幾三 あの頃の青春を詩う歌詞
1.春夏秋冬

作詞:泉谷しげる
作曲:泉谷しげる

季節のない街に生れ 風のない丘に育ち
夢のない家を出て 愛のない人にあう
人のためによかれと思い
西から東へかけずりまわる
やっとみつけたやさしさは
いともたやすくしなびた
春をながめる余裕もなく
夏をのりきる力もなく
秋の枯葉に身をつつみ
冬に骨身をさらけ出す
今日ですべてが終るさ
今日ですべてが変る
今日ですべてがむくわれる
今日ですべてが始まるさ

季節のない街に生れ 風のない丘に育ち
夢のない家を出て 愛のない人にあう
横目でとなりをのぞき
自分の道をたしかめる
またひとつずるくなった
当分てれ笑いがつづく
きたないところですが
ヒマがあったら寄ってみて下さい
ほんのついででいいんです
一度寄ってみて下さい
今日ですべてが終るさ
今日ですべてが変る
今日ですべてがむくわれる
今日ですべてが始まるさ

今日ですべてが終るさ
今日ですべてが変る
今日ですべてがむくわれる
今日ですべてが始まるさ


2.「いちご白書」をもう一度

作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

いつか君と行った 映画がまた来る
授業を抜け出して 二人で出かけた
哀しい場面では 涙ぐんでた
素直な横顔が 今も恋しい
雨に破れかけた 街角のポスターに
過ぎ去った昔が 鮮やかによみがえる
君もみるだろうか 「いちご白書」を
二人だけのメモリー どこかでもう一度

僕は無精ヒゲと 髪をのばして
学生集会へも 時々出かけた
就職が決まって 髪を切ってきた時
もう若くないさと 君に言い訳したね
君もみるだろうか 「いちご白書」を
二人だけのメモリー どこかでもう一度

二人だけのメモリー どこかでもう一度


3.酒と泪と男と女

作詞:河島英五
作曲:河島英五

忘れてしまいたい事や
どうしようもない寂しさに
包まれた時に 男は
酒をのむのでしょう
飲んで飲んで 飲まれて飲んで
飲んで飲み潰れて 眠るまで飲んで
やがて男は 静かに眠るのでしょう

忘れてしまいたい事や
どうしようもない悲しさに
包まれた時に 女は
泪みせるのでしょう
泣いて泣いて 一人泣いて
泣いて泣き疲れて 眠るまで泣いて
やがて女は 静かに眠るのでしょう

又ひとつ女の方が 偉く思えてきた
又ひとつ男のずるさが 見えてきた

おれは男 泣きとおすなんて出来ないよ
今夜も酒を煽って 眠ってしまうのさ
おれは男 泪は見せられないもの

飲んで飲んで 飲まれて飲んで
飲んで飲み潰れて 眠るまで飲んで
やがて男は 静かに眠るのでしょう


4.私は泣いています

作詞:リリィ
作曲:リリィ

私は泣いています ベッドの上で
私は泣いています ベッドの上で
あなたに逢えて 幸せだった
昼も夜も帰らない
あなたがいたから どんなことでも
なりふりかまわず 歩いてきたの

私は泣いています ベッドの上で
私は泣いています ベッドの上で
あなたにとって 愛のくらしは
とても厭なことばかり
あなたに言われて 気付いたことも
そんなところは 直してみます

私は泣いています ベッドの上で
私は泣いています ベッドの上で
あなたは言うの もう終りだと
まさかそれは嘘でしょう
あなたの言葉が 私のまわりで
嵐のように 渦まいているの

私は泣いています ベッドの上で
私は泣いています ベッドの上で
あなたの幸せ 願っているわ
私だけは いつまでも

あなたの幸せ 願っているわ
私だけは いつまでも


5.真夜中のギター

作詞:吉岡治
作曲:河村利夫

街のどこかに 淋しがり屋がひとり
今にも泣きそうに ギターを奏いている
愛を失くして なにかを求めて
さまよう 似たもの同士なのね
此処へおいでよ 夜はつめたく永い
黙って夜明けまで ギターを奏こうよ

空をごらんよ 淋しがりやの星が
涙の尾をひいて どこかに旅に立つ
愛を失くして なにかを求めて
さまよう 似たもの同士なのね
そっとしときよ みんな孤独でつらい
黙って夜明けまで ギターを奏こうよ

愛を失くして なにかを求めて
さまよう 似たもの同士なのね
そっとしときよ みんな孤独でつらい
黙って夜明けまで ギターを奏こうよ
ギターを奏こうよ
ギターを奏こうよ


6.時には母のない子のように

作詞:寺山修司
作曲:田中未知

時には母の ない子のように
だまって海を みつめていたい
時には母の ない子のように
ひとりで旅に 出てみたい
だけど心は すぐかわる
母のない子に なったなら
だれにも愛を 話せない

時には母の ない子のように
長い手紙を 書いてみたい
時には母の ない子のように
大きな声で 叫んでみたい
だけど心は すぐかわる
母のない子に なったなら
だれにも愛を 話せない

時には母の ない子のように


7.旅の宿

作詞:岡本おさみ
作曲:吉田拓郎

浴衣のきみは尾花(すすき)の簪(かんざし)
熱燗徳利の首つまんで
もういっぱいいかがなんて
みょうに色っぽいね

ぼくはぼくであぐらをかいて
きみの頬と耳はまっかっか
ああ 風流だなんて
ひとつ俳句でもひねって

部屋の灯をすっかり消して
風呂あがりの髪 いい香り
上弦の月だったっけ
ひさしぶりだね 月見るなんて

ぼくはすっかり酔っちまって
きみの膝枕に うっとり
もう飲みすぎちまって
君を抱く気にも なれないみたい


8.酒場にて

作詞:山上路夫
作曲:鈴木邦彦

好きでお酒を 飲んじゃいないわ
家(うち)にひとり帰る時が こわい私よ
あのドアを開けてみたって あなたはいない
暗い闇が私を 待ってるだけよ
また長い夜をどうして すごしましょう
愛の香りも 消えたあの部屋

どうぞお店が 終わるときまで
ここにおいてひとりだけで 飲んでいるから
死ぬこともできず今でも あなたを想い
今日もひとり酒場で 泣いてる私
また長い夜をどうして すごしましょう
愛の香りも 消えたあの部屋

死ぬこともできず今でも あなたを想い
今日もひとり酒場で 泣いてる私
また長い夜をどうして すごしましょう
愛の香りも 消えたあの部屋


9.白いブランコ

作詞:小平なほみ
作曲:菅原進

君はおぼえているかしら
あの白いブランコ
風に吹かれて二人でゆれた
あの白いブランコ
日暮はいつも淋しいと
小さな肩をふるわせた
君に口づけした時に
優しくゆれた 白い白いブランコ

僕の心に今もゆれる
あの白いブランコ
幼ない恋を見つめてくれた
あの白いブランコ
まだこわれずにあるのなら
君のおもかげ抱きしめて
ひとりでゆれてみようかしら
遠いあの日の 白い白いブランコ

まだこわれずにあるのなら
君のおもかげ抱きしめて
ひとりでゆれてみようかしら
遠いあの日の 白い白い白いブランコ


10.神田川

作詞:喜多條忠
作曲:南こうせつ

貴男(あなた)はもう 忘れたかしら
赤いてぬぐい マフラーにして
二人で行った 横丁の風呂屋
一緒に出ようねって 言ったのに
いつも私が 待たされた
洗い髪が 芯まで冷えて
小さな石鹸 カタカタ鳴った
貴男は私の からだを抱いて
冷たいねって 言ったのよ
若かったあの頃
何も怖くなかった
ただ貴男のやさしさが
怖かった

貴男はもう 捨てたのかしら
24色(にじゅうよいろ)の クレパス買って
貴男が描(か)いた 私の似顔絵
うまく描いてねって 言ったのに
いつもちっとも 似てないの
窓の下には 神田川
三畳一間の 小さな下宿
貴男は私の 指先みつめ
悲しいかいって 聞いたのよ
若かったあの頃
何も怖くなかった
ただ貴方のやさしさが
怖かった


11.舟唄

作詞:阿久悠
作曲:浜圭介

お酒はぬるめの 燗(かん)がいい
肴(さかな)はあぶった イカでいい
女は無口な ひとがいい
灯(あか)りはぼんやり 灯(とも)りゃいい
しみじみ飲めば しみじみと
想い出だけが 行き過ぎる
涙がポロリと こぼれたら
歌い出すのさ 舟唄を

沖のかもめに 深酒(ふかざけ)させてヨ
いとしあの娘(こ)とヨ 朝寝するダンチョネ

店には飾りが ないがいい
窓から港が 見えりゃいい
はやりの歌など なくていい
ときどき霧笛(むてき)が 鳴ればいい
ほろほろ飲めば ほろほろと
心がすすり 泣いている
あの頃あの娘を 思ったら
歌い出すのさ 舟唄を

ぽつぽつ飲めば ぽつぽつと
未練が胸に 舞い戻る
夜ふけてさびしく なったなら
歌い出すのさ 舟唄を

ルルル…


12.誰もいない海

作詞:山口洋子
作曲:内藤法美

今はもう秋 誰もいない海
知らん顔して 人がゆきすぎても
わたしは忘れない 海に約束したから
つらくても つらくても
死にはしないと

今はもう秋 誰もいない海
たったひとつの 夢が破れても
わたしは忘れない 砂に約束したから
淋しくても 淋しくても
死にはしないと

今はもう秋 誰もいない海
いとしい面影 帰らなくても
わたしは忘れない 空に約束したから
ひとりでも ひとりでも
死にはしないと

ひとりでも ひとりでも
死にはしないと

ルルル…


13.ひとり寝の子守唄

作詞:加藤登紀子
作曲:加藤登紀子

ひとりで 寝る時にゃよォー
ひざっ小僧が 寒かろう
おなごを 抱くように
あたためて おやりよ

ひとりで 寝る時にゃよォー
天井の ねずみが
歌って くれるだろう
いっしょに 歌えよ

ひとりで 寝る時にゃよォー
もみがら枕を
想い出が ぬらすだろう
人恋しさに

ひとりで 寝る時にゃよォー
浮気な 夜風が
トントン 戸をたたき
お前を 呼ぶだろう

ひとりで 寝る時にゃよォー
夜明けの 青さが
教えて くれるだろう
一人者(ひとりもん)も いいもんだと

ひとりで 寝る時にゃよォー
ララララ…


14.22才の別れ

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

あなたに“さよなら”って言えるのは 今日だけ
明日になって またあなたの温かい手に
ふれたらきっと 言えなくなってしまう
そんな気がして…
私には 鏡に映った
あなたの姿をみつけられずに
わたしの 目の前にあった
幸せにすがりついてしまった

私の誕生日に 22本のロウソクを立て
ひとつひとつが みんな君の人生だねって言って
17本目からは 一緒に火を付けたのが
昨日のことのように…
今はただ 5年の月日が
長すぎた春と言えるだけです
あなたの 知らない所へ
嫁いでゆく私にとって

ひとつだけ こんな私の
わがままきいてくれるなら
あなたは あなたのままで
変わらずにいて下さい そのままで


15.我が良き友よ

作詞:吉田拓郎
作曲:吉田拓郎

下駄をならして 奴がくる
腰にてぬぐい ぶらさげて
学生服に しみこんだ
男の臭いが やってくる
アー夢よ よき友よ
おまえ今頃 どの空の下で
俺とおんなじ あの星みつめて
何想う

可愛いあの娘に 声かけられて
頬をそめてた うぶな奴
語り明かせば 下宿屋の
おばさん酒持って やってくる
アー恋よ よき友よ
俺は今でも この町に住んで
女房子供に 手を焼きながらも
生きている

男らしさと 人が言う
おまえの顔が 目に浮かぶ
力ずくだと 言いながら
女郎屋通いを 自慢する
アー夢よ よき友よ
時の流れを うらむじゃないぞ
男らしいは やさしいことだと
言ってくれ

家庭教師の ガラじゃない
金のためだと 言いながら
子供相手に 人の道
人生などを 説く男
アー夢よ よき友よ
便りしたため 探してみたけど
暑中見舞が 返ってきたのは
秋だった

古き時代と 人が言う
今も昔と 俺は言う
バンカラなどと 口走る
古き言葉と 悔みつつ
アー友と よき酒を
時に憂いて 飲みあかしたい
今も昔も この酒つげば
心地よし

学生達が 通りゆく
あいつ程では ないにしろ
まじめなのさと 言いたげに

肩で風切って 飛んでゆく
アー友よ よき奴よ
今の暮らしに あきたら二人で
夢をかかえて 旅でもしないか
あの頃へ


16.山谷ブルース

作詞:岡林信康
作曲:岡林信康

今日の仕事は つらかった
あとは焼酎を あおるだけ
どうせどうせ 山谷のドヤ住い
ほかにやること ありゃしねぇ

一人酒場で 飲む酒に
帰らぬ昔が なつかしい
泣いて泣いて みたってなんになる
いまじゃ 山谷がふるさとよ

工事終われば それっきり
おはらい箱の 俺たちさ
いいさいいさ 山谷の立ちん坊
世間うらんで 何になる

人は山谷を 悪くいう
だけど俺たち いなくなりゃ
ビルもビルも 道路もできゃしねぇ
誰もわかっちゃ くれねえか

だけど俺たちゃ 泣かないぜ
働く俺たちの 世の中が
きっときっと くるさそのうちに
その日にゃ泣こうぜ うれし泣き

ラララ……