2002全曲集

坂本冬美 2002全曲集歌詞
1.凛として

作詞:たかたかし
作曲:徳久広司

日が昇り 日が沈む
春が来て 夏が行く
生きとし生ける ものすべて
命にかぎりは あるけれど
花のように 心を開き
私は咲きたい…凛として

めぐり逢い 時にまた
涙して わかれゆく
喜び悲しみ それもまた
この世のならいと 胸に秘め
鳥のように 夜明けの空へ
私は翔びたい…凛として

移りゆく 人の世に
ささやかな 夢を抱き
男は酒を みちづれに
女は愁いを 身につけて
川のように 大地を流れ
私も生きたい…凛として


2.大志(こころざし)

作詞:たかたかし
作曲:市川昭介

男ふりだし ないないづくし
汗水ながして 道はつく
人に頼るな ぐちるな泣くな
今日の苦労を 積み上げて
明日(あす)はでっかい
山になれ あぁ、山になれ

ほれた女に 一度でいいさ
抱かせてやりたい しあわせを
決めた道なら 迷いはすてろ
悔し涙を 胸に溜め
明日(あす)は大きな
川になれ あぁ、川になれ

桜吹雪の 舞う坂道を
行くも男の 心意気
人生(みち)はひとすじ 希望(のぞみ)は一つ
はるか大地に 根を張って
(あす)は実のなる
華になれ あぁ、華になれ


3.宗谷ぼんぎり

作詞:岡田冨美子
作曲:浜圭介

生まれた故郷も おふくろの名も
忘れたふりすりゃ カモメが騒ぐ
港の数だけ 修羅場をくぐり
命拾って 流れて来たが…

ここから先はオホーツク
宗谷岬の観音様よ
おどまぼんぎり 歌って詫びりゃ
不知火育ちのきまぐれを
許してくれるかい 許してくれるかい

おどまぼんぎりぼんぎり
盆からさきゃおらんど
盆がはよ来りゃはよ戻る

一升酒に 酔いつぶれても
一人で眠れば夢見が悪い
あの娘のかわりに 流氷 抱いて
凍え死んだら 名無しの仏…

男を泣かすオホーツク
宗谷岬の観音様よ
ケンカ太鼓を たたいてやろか
若くもなければ強がりも
寂しいもんだね 寂しいもんだね

春まだ遠いオホーツク
宗谷岬の観音様よ
金も欲しいが 色気も欲しい
やさぐれ男の欲張りを
笑ってくれるかい 笑ってくれるかい

花は何の花 つんつん椿
惚れたしるしの髪飾り


4.螢の提灯

作詞:阿久悠
作曲:宇崎竜童

女の方から通(かよ)って行くなんて
心ないとか はしたないとか
夜叉(やしゃ)みたいと恐がる人や
けものみたいと蔑(さげす)む人が
わたしのまわりにいるのです
それでも 恋は とめられなくて
わたし今宵(こよい)も 夜道を歩きます

水恋しさに 川辺(かわべ)に群れる
螢のあかり 貸しとくれ
ここからほんの十分ばかり
歩いて通うその間
わたしの足もと 照らしておくれ

ホーホー螢 ホの字の螢
螢の提灯 さげて行く
恋しさだけを ポカポカ灯(とも)し
夜道 坂道 暗い道

この身を焦(こ)がす 切なさならば
螢とおなじ 恋おんな
せめても月が 十三夜なら
迷いもせずに行けるけど
わたしの勝手を 許しておくれ

ホーホー螢 ホの字の螢
螢の提灯 さげて行く
恋しさだけを ポカポカ灯(とも)し
夜道 坂道 暗い道

ありがとう もうお帰んなさいな
あんたの恋に光りなさい
わたし 帰りは 夜明けです
夜明けです 夜明けです


5.好きです日本-四季の絵本-


6.風鈴

作詞:荒川利夫
作曲:花笠薫

風鈴の小さな音色が とても好きよと 楽しんだ
私の母の 想い出よ 夏の日暮れに 揺れてます
ひとりの庭先 縁側に
あの日のまゝに 風に鳴る
この風鈴は 母の声
逢いたい逢いたい 母の声

好きな人 いるならいると 教えなさいと 云われてた
やさしい母の 口癖よ 飾った写真の 微笑みが
涙をいつも 誘います
淋しいけれど ひとり聞く
この風鈴は 母の声
恋しい恋しい 母の声

笑顔で隣に いるような
あの日の声が 聞こえます
この風鈴は 母の声
逢いたい逢いたい 母の声


7.夜桜お七

作詞:林あまり
作曲:三木たかし

赤い鼻緒がぷつりと切れた
すげてくれる手ありゃしない
置いてけ堀をけとばして
駆けだす指に血がにじむ

さくら さくら
いつまで待っても来ぬひとと
死んだひととは おなじこと
さくら さくら はな吹雪
燃えて燃やした肌より白い花
浴びてわたしは 夜桜お七
さくら さくら 弥生の空に
さくら さくら はな吹雪

口紅をつけて ティッシュをくわえたら
涙が ぽろり もひとつ ぽろり

熱い唇おしあててきた
あの日のあんたもういない
たいした恋じゃなかったと
すくめる肩に風が吹く

さくら さくら
いつまで待っても来ぬひとと
死んだひととは おなじこと
さくら さくら はな吹雪
抱いて抱かれた 二十歳(はたち)の夢のあと
おぼろ月夜の 夜桜お七
さくら さくら 見渡すかぎり
さくら さくら はな吹雪
さくら さくら さよならあんた
さくら さくら はな吹雪


8.夜叉海峡

作詞:荒木とよひさ
作曲:弦哲也

乳房の夜叉を 隠してみても
この血が 激しく 暴れます
あなたがそちらで 倖せならば
殺したいほど 憎みます
心だけでは いや
抱かれるだけでは いや
吹雪の岬 身を投げて
死んでくれると いうのなら
あゝ…あなた あなた 夜叉海峡

緑の黒髪(かみ)を 根もとで切れば
憐れむ 尼女(おんな)に なれますか
地獄へ堕ちても 奪えるならば
この身裂かれて かまわない
この世だけでは いや
哀しいだけでは いや
素肌のままで 抱きあって
死んでくれると いうのなら
あゝ…あなた あなた 夜叉海峡

心だけでは いや
抱かれるだけでは いや
吹雪の岬 身を投げて
死んでくれると いうのなら
あゝ…あなた あなた 夜叉海峡


9.あばれ太鼓~無法一代入り~


10.祝い酒

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

浮世荒波 ヨイショと越える
今日はおまえの 晴れの門出だよ
親が咲かせた 命の花が
二つ並んだ 鶴と亀
笑顔うれしい 祝い酒

五臓六腑に 樽酒しみる
酔うてめでたい 唄のはなむけさ
七つ転んで 八つで起きろ
明日は苦労の ふたり坂
縁がうれしい 祝い酒

花も嵐も 人生航路
愛が舵とる 若い二人だよ
吹けばとぶよな 小さな木でも
枝は栄える 葉もしげる
門出うれしい 祝い酒


11.能登はいらんかいね

作詞:岸元克己
作曲:猪俣公章

欠けた徳利に 鱈子(たらこ)のつまみ
酒の注ぎ手は 見染めたあの娘(こ)
能登はいらんかいねー
ふるさと 能登はヨー
寝酒三合に 口説きを混ぜて
今夜は輪島の 夢をみる

風は潮風 シベリア返し
汽車は昔の 各駅停車
能登はいらんかいねー
ふるさと 能登はヨー
いさざ土産に 嫁さんつれりゃ
おひろめ椿の 花が舞う

冷やで五合 ぬくめて五合
しめて一升 酒ありゃ楽し
能登はいらんかいねー
ふるさと 能登はヨー
氷鳴らして 想いを馳(は)せりゃ
御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)の 音がする


12.火の国の女

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

肥後は火の国よ 恋の国
燃える中岳(なかだけ)よ 胸こがす
一つしかないこの命
くれというならくれてやる
熱か 熱か こころもからだも 熱か
惚れた女(おなご)を抱きたけりゃ
火傷(やけど)かくごで
抱かんとね 抱かんとね

肥後は湯の里よ 滾(たぎ)る国
菊地 地獄谷 血がさわぐ
たとえ地の底 針の山
来いというならついてゆく
熱か 熱か
情念(おもい)も涙も 熱か
恋は一生 ただひとり
それでよかなら
抱かんとね 抱かんとね

熱か 熱か
枕も吐息も 熱か
うちはひとりじゃ よう寝れん
月にかくれて
逢いに来い 逢いに来い

熱か 熱か
こころもからだも 熱か
闇を流れる火の河で
うちはあんたの
夢をみる 夢をみる


13.男惚れ

作詞:星野哲郎
作曲:猪俣公章

淀の水さえ 流れては
二度と逢えない 浪花街
星の数ほど あるその中の
たったふたりが 知り合うて
男同志の 酒を汲む

(台詞)
ええなあ…男はんは…腹の内を見せ合うてからに…
ほんまに羨しいわ…

君の情を 俺に注げ
俺の誠を返すから
忘れられよか そのひとことの
夢と意気地に 酔わされて
命もやした 淀屋橋

(台詞)
こないなると 女子はかもて貰われへんさかい…
淋しいわ…

風にとび散る 銀杏の
粒に似たよな 命でも
情け大阪堂島育ち
見栄も飾りも 酒に換え
君の愁いを 晴らしたい


14.おとうさんへ

作詞:さくらなな
作曲:さくらなな

躰は大丈夫かい 元気で暮らせよと
電話の向こうの やせた姿が浮かびます
いつも照れては 目をそらす
そんなあなたの横顔が 懐かしい
もう会いたくても 会えないのですね
もう声を聞くことも ないのですね

いつもは無口な父が いい男性見つけろよ
ポツリと一言 お酒飲み干しつぶやいた
ふっと涙が頬つたう
心配かけてた 娘でごめんね
もう会いたくても 会えないのですね
もう声を聞くことも ないのですね

もう会いたくても 会えないのですね
もう声を聞くことも ないのですね

せめて「ありがとう」の言葉 言いたかった


15.船で帰るあなた

作詞:池田充男
作曲:猪俣公章

(さようなら)船で帰るあなた
(さようなら)愛をくれたあなた
さようなら むせぶ霧の笛
両手さし出す ふたりの間に
別れが砕ける 波が泣く
今度いつの日 ここで逢えるの
さようなら さようなら 鴎はひとりぼっちよ

(さようなら)海を越えるあなた
(さようなら)どうぞご無事であなた
さようなら 叫ぶ泪声
長い黒髪 この一筋にも
あなたの香が のこってる
泣いて幾月 待てば逢えるの
さようなら さようなら 波止場はひとりぼっちよ

指にからんで 千切れたテープを
あなたのかわりに 抱きしめる
熱いくちずけ いまもほしいの
さようなら さようなら 私はひとりぼっちよ


16.風に立つ

作詞:たかたかし
作曲:弦哲也

青嵐(せいらん)に吹かれて
胸をはる 日もあれば
雨風にたたかれて
頭(こうべ)をたれる ときもある
人はこの世に 生きてあるかぎり
山坂千里の 九十九(つづら)折り
そうさ、人生やるっきゃないさ

朔風(さくふう)が吹いても
向かい風 吹こうとも
たじろがずくじけずに
前だけ見つめ 行くがいい
泥にまみれて 涙ながしても
こころに錦の 華をもて
そうさ、人生やるっきゃないさ

うつりゆく時代の
波風に のまれても
騒がずに嘆かずに
最善つくし 立ち向かえ
ままにならない 茨道(いばらみち)なれど
それでも行かねば ならぬ道
そうさ、人生やるっきゃないさ
そうさ、人生やるっきゃないさ