鏡五郎 赤垣源蔵・徳利の別れ 歌詞

暫存

鏡五郎 暫存專輯

16.赤垣源蔵・徳利の別れ

作詞:木下龍太郎
作曲:保田幸司郎

一升徳利を 手土産に
雪降る中を 饅頭笠
これが今生の 別れなら
酒で敷居は 高けれど
兄をたずねる 暇乞い

(セリフ)義姉上さま 赤穂浪人
呑んべえのこの赤垣源蔵
やっと仕官が叶い、お別れに参上致しました。
兄上がお留守とあらば、そこに掛った小袖を兄上と思い、
別れの酒を一献傾けとうござりまする。

人は一代 武士は
その名を惜しめ 末代も
下手な謡曲を 口ずさみ
膳を間に 懐しき
黒の小袖と 差し向い

(セリフ)明十五日 寅の刻
吉良邸へ討入り致します。
二度と生きては戻れぬ身ならば、
せめて せめて一目なりともお逢いいたし
別れの酒を酌み交しとうございました。兄上様!

明日の討入り 身仕度を
急かせて鳴るか 鐘七つ
残る浮世の 未練やら
払う先から 降り積もる
雪が重たい 赤合羽