夢幻泡影

陰陽座 夢幻泡影歌詞
1.夢幻

作詞:瞬火
作曲:瞬火

羽擊(はばた)いた 翼は
邪魅(じゃみ)に羽を灼(や)かれ
舞い降りた
花床(かしょう)で 開かる


2.邪魅の抱擁

作詞:瞬火
作曲:瞬火

思(も)う 燻(ふす)べる 黑は
恣(ほしいまま) に 蹂み 躪(にじ)ると
もう 穢(けが)れた 白に
身罷(みまか)る 此(こ)の
皇(すめ) 譬(たど)う 金翅雀(ひわ)
黑とも 白とも
交えぬ 魂 燃え上がり
灰と狎(な)れる

巔(てん)遊ぶ守(も)りは
魁(かい)を無くし絕える
蛇(じゃ) 顯(あらわ) 尾得(おえ)て
企(たくら)み 戲(そば)える
流浪(るろう)の 骸(むくろ)は
志(しるし)半ば 文(ふみ) 滲(にじ)むと
樣(そう) 崩れた 城に
見紛(みまが)う 此(こ)の
絖(ぬめ) 今や虎子(まる)
玄人も 素人も
交えぬ 魄(たましい) 燼滅(じんめつ)は
魔魅(まみ)を 殖(うま)ふ

巔(てん)遊ぶ守(も)りは (手そぶも)
魁(かい)を無くし絕える (馘(かく)した)
邪魅(じゃみ)の子らは (蛇(じゃ) 顯(あらわ))
尾得(おえ)て 貶(さげす)み (生(あ)えて 貶(たくら)み)
翳(かす)む兄(せ)
仙(せん)余まる者は (僊(せま)るも)
徑(みち)を創り 軈(やが)て (御廚(みくりや))
邪道(じゃどう)越えて (戲(じゃ)れて)
抱いて 羽包(はぐ)くみ (抱いて 育(はぐく)み)
悶(もだ)える
縷(る) 纏(まと)えど
精神(こころ)は 錦と
麗しさに 目が眩(くら)む
惡(あ)し物

巔(てん)遊ぶ守(も)りは (手そぶも)
魁(かい)を無くし絕える (馘(かく)した)
邪魅(じゃみ)の子らは (蛇(じゃ) 顯(あらわ))
尾得(おえ)て 貶(さげす)み (生(あ)えて 貶(たくら)み)
翳(かす)む兄(せ)
仙(せん)余まる者は (僊(せま)るも)
徑(みち)を創り 軈(やが)て (御廚(みくりや))
邪道(じゃどう)越えて (戲(じゃ)れて)
抱いて 羽包(はぐ)くみ (抱いて 育(はぐく)み)
悶(もだ)える


3.睡

作詞:瞬火
作曲:瞬火

微睡(まどろみ)と眩暈(めまい)の
騷めきの檻(おり)で
堪え難き 亡狀(むじょう)に
浮腫(むく)む我の軀(からだ)
賢(さか)しく無くとも
魯鈍(ろどん)に非(あら)ず
故(ふる)しの寢糸(ねいと)を
怪しみ創めた
嗚呼(ああ) 肱(かいな)の蛆(うじ)
佯(いつわり)を 照らし出して
深い睡りに 食(お)され眩(ま)いて
嫋(たお)やいで

昏冥(こんめい)と夜光に
爛(ただ)れし總身で
掛替(かけが)えぬ 玄孫(やしゃご)を
屠(ほふ)るは 穢(え)の內羅(ないら)
及びで無くとも 烏滸(おこ)には非ず
頑愚(がんぐ)の戲(あじゃら)
過ぐ世(せ)は寂(さび)れた
紅(あか)い 血に怖(お)じ
何時(いつ)の間にか 誰殺(たそ)がれて
深い睡りに 食(お)され眩(ま)いて
嫋(たお)やいで

赫(かがや)き迄
腐(くち)で縅(おど)すの
閃(ひらめ)く其(そ)の目見(まみ)に
泛(うか)ぶは 淚

嗚呼(ああ) 肱(かいな)の蛆(うじ)
佯(いつわり)を 照らし出して
深い睡りに 壓(お)されまじと
星を鎖(とざ)した儘(まま)で

沙(すな)の誘いに
墮(お)ちる目方(まえ)に 差し延べて
邀(むか)ふ醒(めざめ)に
澱(よど)まぬ意志 其(そ)の聲(こえ)を


4.鼓動

作詞:瞬火
作曲:狩姦

其(そ)の瞳(め)を 開いた夜
此(こ)の手に 誓った
彼(あ)の背を 超える力
己(おの)が 裡(うち)に 在りやと

春には 喚起(かんき)を噴(ふ)き
夏には 怠(おこた)り
秋こそ 就(つ)けんと起(た)ち
冬に 見切り戲(おど)ける

諧聲(かいせい)も
全(うつ)に擦(す)れて 通り過ぎる
嘆聲(たんせい)は
雨に濡れて 濕(しと)る 木靈(こだま)

空に臨(のぞ)まば 搖れる
撓(たり)に 歪(ひず)む心を
蒼(あお)き鼓動(こどう)で
裂ける胸 觀(かん)じて
東(ひむかし) 朝を迎え
西から 帆を出し
南の 風の吹子(ふいご)
北に 明日を眺める

內命(ないめい)は
折(おり)に觸れて 魂(こころ)責める
大兄(たいけい)の
詭謀(きぼう) 除(さ)けて
手繰(たぐる)る捷路(しょうろ)

空に臨(のぞ)まば 搖れる
撓(たり)に 歪(ひず)む心を
蒼(あお)き鼓動(こどう)で
裂ける胸 觀(かん)じて

此(こ)の鼓動(こどう)が
突き上げる
錯(あやま)れる
亂(みだ)り胸 觀(かん)じて
空に臨(のぞ)まば 搖れる
撓(たり)に 歪(ひず)む心を
蒼(あお)き鼓動(こどう)で
翔(かけ)る胸焦(こ)がして


5.舞頸

作詞:瞬火
作曲:瞬火

軍配(ぐんばい) 無い袖は振れぬ
仇敵(てき)は無く 身方(みかた)も絕え
顛沛(てんぱい) 泥土(でいど)に消ゆ
寄らば斬る世迷(よまよ)い

素(そ)っ首 洗って待っておけ
半刻(はんこく)で 我が手中
月牌(がっぱい) 內亂罪(ないらんざい)
喝(か)す 打(ぶ)ちのめす

諍(いさか)う其(そ)の益荒(ますら)は
轟(とどめ)き懺悔(ざんげ)に戰慄(わなな)く
討ち果(はた)すは互いの
唯一(ゆいつ)の蠟燭(らっそく)なる頭(かしら)

怨(うら)みは消えぬ 裁きを
脫(だっ)す 脫す 脫す 然(そ)して 斬る

流れる 此(こ)の淚
遲蒔(おそま)きの慘劇(さんげき)は永(なが)く
魂消(たまぎ)る程 輪迴(りんね)な
此(こ)の念(おも)いは
雲散霧消(うんさんむしょう)

散(あか)る 鬨(とき)の唄は
黑き海に吞まれ
重(おも)る 病(や)みを 統(す)べる
諍(あらが)う 巴(ともえ)の
人騷(とぞめ)きは 滅ばぬ

罪(つみ)も科(とが)も
斬らば御破算(ごはさん)

月も尖(とが)る
舊(もと)の木阿彌(もくあみ)

散(あか)る 鬨(とき)の唄は
黑き海に吞まれ
重(おも)る 病(や)みを 統(す)べる
爭(あらが)う 強敵(とも)への
情(なさけ)の呵(か)を
赤(あか)る 時(とき)の唄は
黑き淵(ふち)に揉(も)まれ
重(おも)る 闇(やみ)を 迺(すべ)る
諍(あらが)う 巴(ともえ)の
奔(ひしめき)は 轉ばぬ


6.輪入道

作詞:瞬火
作曲:招鬼

(轟(ごう) 動(どう) 動(どう) 轟(ごう))
視(み)るも無慚(むざん)な 地獄繪の
(轟 動 動 轟)
左手(ゆんで)の端(はし)は
末(すえ)の愛子(まなご)
(轟 動 動 轟)
此所(ここ)は勝母(しょうぼ)の裡(さと)に附(つ)き
(轟 動 動 轟)
余所(よそ)へどうぞと 拜み倒し
秋雨(あきさめ)は 山車(だし)に
子良(こら)が 踏(ふ)みしゃがれ
末(ま)だ 幽(かす)かに在(あ)る
息の根を止める 貳(に)の矢

(轟(ごう) 動(どう) 動(どう) 轟(ごう))
回(み)るは車輪と 地獄への
(轟 動 動 轟)
牛頭馬頭(ごずめず)どもの
驅(か)る荷車(にぐるま)
(轟 動 動 轟)
何其(なんぞ)れ彼其(かぞ)れ 叫(わめ)くとて
(轟 動 動 轟)
車は急(せ)いて 止まりゃしない
嗚呼(ああ) 刻む轍(わだち)に
空も知らぬ雨
唯(ただ) 過ぎ行く影
ねまる 想いは 聳(そばだ)ち
嬲(なぶ)る靈(ひ)の片(ひら) 媒(なかだち)
嘖(さいな)む 我が慕情(ぼじょう)に
幕下ろす
さあ 迴(めぐ)り行け

腳を取られりゃ 韋馱天(いだてん)
立ち往生
腕をもがれりゃ 弁天(べんてん)
彈かれぬ琵琶(びわ)

(下眾(げす) 駕(が)す 貘(ばく))
迴(もとおし)まで
(下眾 駕す 貘)
催(もよお)し 危(あや)める

玉を取られりゃ 仰天(ぎょうてん)
後(あと)の祭り
尻を蹴られりゃ 月天(がってん)
番(つがい)の雛(ひな)

(下眾(げす) 駕(が)す 貘(ばく))
迴(もとおし)まで
(下眾 駕す 貘)
催(もよお)し
(下眾 駕す 貘)
舊(もと)の島で
(下眾 駕す 貘)
催(もよお)し 殺(あや)める

嗚呼(ああ) 刻む轍(わだち)に
空も知らぬ雨
唯(ただ) 過ぎ行く影
ねまる 想いは 聳(そばだ)ち
嬲(なぶ)る豕(い)の血が 媒(なかだち)
嘖(さいな)む 我が五條(ごじょう)に
撒(ま)く俄羅斯(おろす)
さあ 迴(めぐ)り行け
常(とわ)に 刻む轍(わだち)


7.煙々羅

作詞:瞬火
作曲:瞬火

其處(そこ)に只(ただ)在る事を
玉響(たまゆら)にふと描き
連れに相成(あいな)る 夢の中で

俱(とも)に暮れ逝(ゆ)く時は
此(こ)の胸に抱き寄せて
瞼(まぶた)に約(やく)す
來世(らいせ)で待つ

今 辿り著いた
夢幻(むげん)の靜寂(しじま)

千萬(せんまん)天華(てんげ)笑く光來(こうらい)
其(そ)は剎那(せつな)の風(あい)
運命(さだめ)掃(き)すのは
會者定離(えしゃじょうり)の流(る)
然(さ)れど 迴り 再び逢う

此處(ここ)に未(ま)だ在る事の
尊(とうと)さにふと甘え
盡くす想いも 夢の儘(まま)で

俱(とも)に暮れ逝(ゆ)く時は
睦(むつ)まじく寄り添って
重ねた日々に 別れ告げて

今 手繰(たぐ)り寄せた
無限の欠片(かけら)

千萬(せんまん)天華(てんげ)笑く光來(こうらい)
其(そ)は剎那(せつな)の風(あい)
運命(さだめ)掃(き)すのは
會者定離(えしゃじょうり)の流(る)
然(さ)れど 迴り 再び逢う

夜雨(よさめ)夜霧を紡(つむ)ぎ
滿(み)つ 遙か彼方(かなた)
煙(けぶ)る羅(うすもの)に
其(そ)の姿を 重ね

千萬(せんまん)天華(てんげ)笑く光來(こうらい)
其(そ)は剎那(せつな)の風(あい)
運命(さだめ)掃(き)すのは
會者定離(えしゃじょうり)の流(る)
然(さ)れど 迴(めぐ)り 再び逢う
然(さ)れば 萌(めぐ)み 必ず逢う
此處(ここ)で逢える


8.涅槃忍法帖

作詞:瞬火
作曲:瞬火

性(さが)なき 囀(さえず)る 雜魚(ざこ)にさえ
情けの 名謁(なだめし) 何を成す
贖(あが)ふ 足を 洗い 改(あらた)む
塞(せ)かぶ 聲(こえ)に
(脫(だつ) 拔(ばつ) 殺(さつ) 喝(かつ) 剌(らつ))
惑わされても (脫 拔 殺 喝 剌)
取り合わない (脫 拔 殺 喝 剌)
降魔(がま)の 如(ごと)き
沙汰(さた)では 動けぬ

敢(あ)え無き 垢染(あかじ)む
阿堵(あと)にさえ 足搔(あが)く
內衛(ないえ)を 宥(なだ)める
和(な)ぎを為(な)す
榮(さか)う 逆蟲(さかむし)と 差し渡す

祈(ね)がう 聲(こえ)を
(脫(だつ) 拔(ばつ) 殺(さつ) 喝(かつ) 剌(らつ))
繫ぎ止めても (脫 拔 殺 喝 剌)
取り敢(あ)えない (脫 拔 殺 喝 剌)
蝦蟆(がま)の 如(ごと)き
蹉跎(さだ)でも 蠢(うごめ)く

同胞(はらかた)よ 決して怖(お)じけるな
希望は無くとも 意義は在る
何程(どれほど)の血が其處(そこ)に流れようとも
新たなる芽吹きに 是非(ぜひ)は無し

涅槃(ねはん)の扉は 水色の飴
盪(とろ)ける さらめきを 後ろに
嗚呼(ああ) 椴(とど)の樹を
挽(ひ)きながら 罷(まか)りゆく

已(や)むを得ず 二度と掃れぬ身と
相成(あいな)った
助けも 情けも無用
屍(しかばね)は曬(さら)しておくがよい
皆 怠(おこた)りなく 任務を果たせ
では然(さ)らば 涅槃(ねはん)では俟(ま)たぬ
涅槃(ねはん)の調べは 水銀(みずかね)の雨
屆ける 漣(さざなみ)を 蓆(むしろ)に
嗚呼(ああ) 轟(とどろ)きを
聽き乍(なが)ら 交ざりゆく 肉體(からだ)

祈(ね)がう 聲(こえ)を
(脫(だつ) 拔(ばつ) 殺(さつ) 喝(かつ) 剌(らつ))
繫ぎ止めても (脫 拔 殺 喝 剌)
取り敢(あ)えない (脫 拔 殺 喝 剌)
蝦蟆(がま)の 如(ごと)き 蹉跎(さだ)では
直(す)ぐに 澱(よど)んで 消える
でも 俟(ま)たない でも 俟(ま)たない
でも 俟(ま)たない でも 俟(ま)たない


9.夢蟲

作詞:黑貓
作曲:黑貓

かげろを 野邊(のべ)に搖蕩(たゆた)えど
瞬(まじろ)く剎那(せつな)の戀を手繰(たぐ)り
後世(のちせ)に渡す白糸(しらいと)は
宿世(すくせ)を希(のぞ)みて翅(はね)に纏(まつ)る
禱(いの)りは 夜(よ)を籠(こ)めて
月を染(そ)むる
樹々(きぎ)に花に水に 青は滿ちる
生まれ落(お)つ命と 果てる命は
同じ雨に濡(そぼ)つ
運命(さだめ)と知り乍(なが)ら
靄(あい)に霞(かす)む
玻璃(はり)の眸(ひとみ)は
遠き空を 身放(みさ)きて 墮(お)つる
水に散りそむ花の樣に
その身は解(と)けて 流る

嗚呼(ああ) 夜は更(ふ)け往(ゆ)く
夢路(ゆめじ)に獨(ひと)り
翅(つばさ)を閉じて
愛(かな)しむ歌さえ
歌えぬ時を果無(はかな)さ

嗚呼(ああ) 夜は明(あ)けぬる
夢路(ゆめじ)に火取(ひと)り
翅(つばさ)は朽(く)ちて
愛(かな)しむ歌さえ
遺(のこ)せぬ時の果無(はかな)さ

かげろを 野邊(のべ)に搖蕩(たゆた)えど
瞬(まじろ)く剎那(せつな)の戀を手繰(たぐ)り
後世(のちせ)に渡る翅(はね)の音…


10.河童をどり

作詞:瞬火
作曲:瞬火

なんちゃやない なんぼじも
かんまない 唄いなはいや
しゃって だまっち 見よるがやったら
あぁ じゃらじゃらすなや はじまるぜ

(皿(ぺい)!)心に秘めた 真の魄(たま)
引きずり出して進(しん)ぜる
向(むこ)う疵(きず)が渴いたなら
兔(と)に角(かく)愉快に踴りましょう

がまんなこと 言うたちいけない
凸間凹間(でくまひくま) なかようにせな
なにまりかにまりよもだ言うたらいけんやねぇか
はよせな 人生
瞬(またた)くぜ(しゃきたおっこそなぁ)

(皿(ぺい)!)心に秘めた 真の魄(たま)
引きずり出して進(しん)ぜる
向(むこ)う疵(きず)が渴いたなら
兔(と)に角(かく)愉快に踴りましょう

更(さら)なる求道(ぐどう)
果て無き宇宙
在り馴(な)る鄉(さと)を
愛(いと)しみ乍(なが)ら
然らば氣高(けだか)き
社(やしろ)の諸公(しょこう)
在(あ)り待つも好(よ)し
連れ立つも佳(よ)し

(皿(ぺい)!)心に秘めた 真の魄(たま)
引きずり出して進(しん)ぜる
向(むこ)う疵(きず)が渴いたなら
漲(みなぎ)る力を 全部出して
(皿(ぺい)!)その手に摑(つか)む 信の珠(たま)
耀(かがや)き出せば信ずる
向う見ずが祟(たた)ったなら
一先(ひとま)ず暢氣(のんき)に踴りましょう