鳳翼麟瞳

陰陽座 鳳翼麟瞳專輯

4.鵺

作詞:瞬火
作曲:瞬火
編曲:瞬火·陰陽座

黑雲(くろくも)を其(そ)の身に纏い
丑(うしみ)三つに囀(さえず)る
其(そ)の闇は正(まさ)に黑い
兇事(まがつごと)を山と帶びる

鳴弦(めいげん)の乾いた音に
幽(かす)かに混じりて
魂を 喚(よ)ばい戾す
寂しげな聲(こえ)が游(およ)ぐ

頤(おとがい)を
風に乘せて曬(さら)し上げる
此糸(このいと)朱(あけ)を奪う
剝き出しの肝(きも)を撫で付け

鵺(ぬえ)が嗤(わら)う 鵺(ぬえ)が唄う

「不氣味に光る其(そ)の目を潰し
奇っ怪なる身體を
膾(なます)と切り刻んでも
殘念乍(なが)ら無益なり。
それはぬえでは御座らぬ。」

人に隱れた鬼子(おにこ)の末期(まつご)
著切(きき)る衣でふらふらと

裡に紛(まぎ)れた女子(おなご)の枕
穢(あい)も哀とてはらはらと

谷(やと)に燒かれた夜盜(やとう)の彌次(やじ)は
窟(やぐら)破りてやれやれと

泡沫(うたかた)水泡(みなわ)の
折しも消ゆる間際
茜に射(さ)し迂み
眩(く)れ逝く我を詰(なじ)る

泡沫(うたかた)水泡(みなわ)の
折しも消ゆる間際
屍(かばね)を鎖(さ)し籠(こ)み
真柴(ましば)に我は染まる
真柴(ましば)も朱(あけ)に染まる

鵺(ぬえ)が嗤(わら)う 鵺(ぬえ)が唄う
鵺(ぬえ)が踴る 鵺(ぬえ)が噎(むせ)ぶ